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16時間でサービスを一時停止、話題のアプリ「CASH」を手がけるバンク・光本勇介氏がTC Tokyo2017に登壇

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バンク代表取締役CEOの光本勇介氏

11月16日から17日にかけて東京・渋谷で開催するテックイベント「TechCrunch Tokyo 2017」。これまでにSlackQuoraTrello、Google(Google Home)、ソラコムなどの登壇を発表してきたが、新たに買取アプリ「CASH」を提供するバンク代表取締役兼CEOの光本勇介氏の登壇が決定したのでお知らせしたい。

6月にサービスをローンチするや否やネット上で話題を大きな集め、「想像を遥かに超えたサービス利用があった」(同社)としてわずか16時間でサービスを一時停止するにまで至ったCASH。“目の前のアイテムを瞬間的にキャッシュに変えられるアプリ”とうたっているとおりで、アプリをダウンロードしてSMS認証を行えば、あとはアプリで現金化したいアイテムのブランドや商品カテゴリを選択。写真を撮影すれば、すぐに査定額が表示される。査定額はいったんアプリにチャージされ、銀行やコンビニを通じて出金ができる。撮影したアイテムは宅配業者が集荷に来るので、2週間以内に同社に送ればいい。なおサービス開始当初は、現金でキャッシュを返すという機能も用意しており物議を醸したが、再開後はこの機能を削除している。

ちなみにサービス一時停止までの16時間でのアプリダウンロードは約3万件、キャッシュ化されたアイテムの総額は3億6000万円(キャンセルなどを含めた数字だという)に上った。その結果バンクのオフィスはユーザーから送られてきた段ボール箱で埋め尽くされたという。

そんな話題のサービスを提供するバンクは2017年2月の設立。代表の光本氏は2008年にブラケットを創業し、売却した実績のあるシリアルアントレプレナーだ。

ブラケットは当初カーシェアリングサービスや靴のオーダーメイドサービスなどを展開したのち、2012年にはオンラインストア作成サービス「STORES.jp」をローンチした。STORES.jpを軸にして成長した同社は、2013年にスタートトゥデイに買収されるが、2016年にはスタートトゥデイに対してMBOを実施。再び独立することを選んだ。MBOと同時に光本氏はブラケットの取締役会長に就任。新たな事業を興すべくバンクを創業した。

TechCrunch Tokyoでは光本氏にはこれまでの起業家としてのストーリーに加えて、読者のみんなが気になっているCASHの現状やこれからのビジネスについて聞いてみたいと思っている。

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採血なしで血液中の脂質を測定、北大発のメディカルフォトニクスが1億円を調達

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左から科学技術振興機構の元島勇太氏、メディカルフォトニクスの飯永一也氏、ANRIの鮫島昌弘氏

独立系ベンチャーキャピタルのANRIが総額60億円規模の3号ファンドを立ち上げたのは8月に報じたとおり。このファンドではこれまで通りシード期のITスタートアップに投資すると同時に、大学や学術機関での研究をベースにするハイテク領域のスタートアップへの投資を行うとしていた。その1社が北海道大学発のメディカルフォトニクスだ。同社がANRIおよび国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)から総額約1億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

メディカルフォトニクスが開発するのは、非侵襲(注射針による採血など、器具で生体を傷つけないこと)で利用できる脂質計測器だ。通常、脂質を検査する場合、医療機関で採血を行い、その血液を分析するのが一般的だ。だが同社が開発する製品を用いれば、肌の上に機器を装着するだけで、血中の脂質の検査が可能になる。

非侵襲脂質計測器の試作機

同社のコアとなるのは、北海道大学・清水孝一教授が研究していた、光を用いた生体の診断技術だ。液体に一方向から光を当ててのぞきこんだ際、その液体に含まれている物質の量や種類によって、光は散乱し、ぼやけて見える。同社の脂質計測器では、生体にLEDで光を当て、その散乱度合いをもとに脂質を計測する。メディカルフォトニクス代表取締役の飯永一也氏はもともと製薬メーカーの社員として清水教授と接点を持っていたが、この技術をもとに非侵襲脂質計測器を開発すべく起業した。

この計測器で効果的に計ることができるようになるのは、動脈硬化や心筋梗塞になる危険性が高まる「食後高脂血症」。食後、一時的に血液中の中性脂肪の値が上昇するこの症状は、(主に食事を制限したタイミングで)1回採血をするだけというような通常の健康診断では発見が難しい。もし症状を判断したければ、食前、食後○時間、というかたちで数時間内に複数回の採血が必要になる。これでは体への負荷も大きい。だが同社の脂質計測器であれば採血の必要がないため、手軽に食後高脂血症の測定ができるようになる。

計測器は現在も開発中。年度内には研究機関向け製品の販売を開始する予定だ。今後は医療機器の承認を受けることを目指す。将来的には低価格の個人向け製品の販売を行うとしている。

なお今回のラウンドではJSTが出資を行っているが、彼らは2014年に施行された産業競争力強化法を背景に、25億円の予算枠でテック系のスタートアップを中心に投資を行っているという。以前も紹介したとおり、これまで学術機関での研究はPOC(Proof of Concept:概念の実証)を越えるまでは研究費でまかなうということが多いという。だが徐々にではあるが、彼らの起業を支援する体制も整いつつあるようだ。

B Dash Venturesが100億円規模の3号ファンドを設立、エンタメ・FinTech領域へ投資

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独立系ベンチャーキャピタルのB Dash Venturesは10月30日、新たなベンチャー投資ファンド「B Dash Fund3号投資事業有限責任組合」を設立したことを明らかにした。ファンド規模は100億円程度をめざしており、すでに独立行政法人中小企業基盤整備機構、KDDI、グリーのほか、上場企業や金融機関、インターネット関連企業の経営者等がLPとして出資。9割程度の資金を集めているという。

B Dash Venturesはこれまで、2011年9月に20億円規模の1号ファンド、2014年7月に60億円規模のファンドを立ち上げている。領域としてはゲームやメディア、広告を中心にして、シードやアーリーから、レイターまで幅広いステージのスタートアップに投資。これまでにgumiやGunosy、マイネット、アップベイダー、スケールアウト、iemo、コネヒト、エイリム、Candle、3ミニッツ、そとあそびなどのイグジット実績がある。

3号ファンドでは、 これまで同様にゲーム、メディア、広告の領域に投資を行うほか、エンターテインメントやFinTech関連のスタートアップにも投資を行うという。最近では女優・柴咲コウさんが代表を務めるレトロワグラースへの投資も行っている。「ネットやSNSによって、『個』をエンパワーメントすることで、個人がどんどん活動できる時代に入ってきている。これまでに3ミニッツやC Cannnelなどにも投資を行い、インフルエンサーマーケティングの走りのようなところも見てきた。社会的影響力がある人達が入ってくると、ネットはもっと大きく広がる。ネットやSNSによって、『個』をエンパワーメントすることで、個人がどんどん活動できる時代に入ってきている」(B Dash Ventures代表取締役社長の渡辺洋行氏)

これまでもB Dash Venturesは積極的にエンタメ業界と積極的にコミュニケーションを取ってきたVCだ。彼らが主催する招待制イベント「B Dash Camp」には、ミュージシャンの小室哲哉さんや、俳優・イベントプロデューサーの小橋賢児さん、インフルエンサーのGENKINGさん、イベント企画やタレントマネジメントなどを手がけるアソビシステム代表取締役社長の中川悠介氏なども登壇している。直近ではアーティストに対してマーケティングやECサイト構築支援なども行う予定だという。

またこれまで、QUOINEなど仮想通貨領域には出資していたB Dash Venturesだが、今後は決済やレンディングといったFinTech領域にも積極的な投資を行う。

TC TokyoにLINE舛田氏の登壇が決定、スマートスピーカー「Clova WAVE」で狙うポストスマホ時代

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いよいよあと2週間に迫ってきたイベント「TechCrunch Tokyo 2017」。ここで新たにLINE取締役CSMOの舛田淳氏の登壇が決定したのでお知らせする。

PC、フィーチャーフォン、スマートフォン——生活やビジネスの主役となるデバイス・プラットフォームは常に変化を遂げてきた。初代のiPhoneが発売されてから10年も経った今では、「ポストスマホ」について語られることも増えているが、そのポストスマホの本命が音声AIだと打ち出すのがLINEだ。

LINEはまず、3月にクラウドAIプラットフォーム「Clova」を発表し、6月には事業戦略説明会でスマートスピーカーの「Clova WAVE(当時の名称はWAVE)」をお披露目。8月に先行体験版を発売したのち、10月に正式版としての販売を開始した。

Clova WAVEは音声での音楽再生やニュース、天気の再生といった機能に加えて、カレンダーの確認、赤外線リモコンの操作(現在はテレビのみ。今後照明のコントロールにも対応する予定)やLINEの読み上げ、送信といった機能を備える。さらに今後は話者認識、音声翻訳、ショッピング、デリバリー、タクシー配車といった機能も追加していくという。

僕も先行販売でWAVEを手に入れて実際に家で使っている。正直なところ、購入直後はレスポンス速度や音声認識について不満はあったのだけれども、舛田氏は正式版の発売を発表した際に「(Clova WAVEは)成長するスピーカー。機能が増えるので、1年後には製品の価値がまったく異なるものになる」と話していたとおりで、日々レスポンスや機能がアップデートされていると感じている。最近では「Radiko」にも対応し、ラジオの再生も可能になった。WAVEの武器の1つは、コミュニケーションアプリ「LINE」との連携や、(IoT家電を導入しなくても、一般的な家電に対応する)赤外線リモコンへの対応といった、決してリテラシーの高くない層でも利用できる利便性、親しみやすさではないかとも思っている。

だが一方で世界を見てみれば、Googleの「Google Home」、Amazonの「Amazon Echo」といったスマートスピーカーが先行する領域。Googleも10月に日本でもGoogle Homeを発売したし、AmazonもEchoに関する会見を11月8日に都内で開催するとしており、その覇権争いは激化している。

このセッションでは舛田氏に、AIプラットフォームを軸にしたポストスマホ時代のLINEの戦略、そして競合が続々国内市場に参入する中での、日本発のスマートスピーカーであるClova WAVEの可能性について聞いてみたいと思う。なお定価より1万円安い前売りチケットの販売は本日いっぱいとなっている。

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スマートスピーカー「Amazon Echo」日本では1万1980円で発売、招待制で来週より出荷

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米国での普及が先行するスマートスピーカーだが、いよいよ日本での競争も激化しそうだ。10月6日にはGoogleのスマートスピーカー「Google Home」が日本での販売を発表。同日にはLINEもスマートスピーカー「Clova WAVE」の正式発売を発表していた。そして今日11月8日、Amazonがスマートスピーカー「Amazon Echo」の日本発売および、音声AIアシスタントである「Alexa」の日本語対応を発表した。招待制(AmazonのEcho販売ページよりリクエスト可能)で来週より順次出荷を開始する。

すでにアメリカ、イギリス、ドイツなど海外で販売されているAmazon Echoだが、日本では「Echo」(税込み1万1980円)に加えて、小型版である「Echo Dot」(同5980円)、スマートホームハブ機能内蔵の「Echo Plus」(1万7980円)の3モデルをラインアップする。プライム会員は11月17日まで、Echoを7980円、Echo Dotを3980円でそれぞれ販売する。

Amazon EchoはGoogleの「Google アシスタント」、LINEの「Clova」同様(もちろんアップルの「Siri」も)のクラウドベースの音声AIアシスタントを備えるスマートスピーカーだ。ウェイクワード(起動のためのキーワード)である「Alexa(アレクサ)」と呼びかけた上で、時間や天気、ニュース、スポーツ情報などを尋ねたり、タイマーの設定やスケジュールの確認をしたり、音楽を再生したりできる。日本語対応には時間をかけたということで、日本のプロ野球やJリーグ、相撲の試合結果などを聞くこともできるほか、歌を歌う、オヤジギャグを言うといったエンタメ要素も備える。

代表モデルであるEchoのサイズは高さ148mm×横幅88mm×奥行き88mmで、重量は821g。Wi-Fiのほか、Bluetooth接続に対応する。2.5インチウーファーと0.6インチツイーターを備える。本体上部に7つのマイクアレイを備え、ビームフォーミング技術とノイズキャンセレーションによって、6メートル離れた場所からでも音声を認識するという。

Echoシリーズは「Skill」と呼ぶ拡張機能により、外部サービスと連携できるのが特長だ。開発者向けツール「Amazon Skill Kit(ASK)」も日本で提供しており、ローンチ時点で265のサービスのスキルを利用できる。例えばJapan Taxiの配車アプリ「全国タクシー」を通じて現在地でタクシーの配車を行ったり、僕らTechCrunchのニュースを読み上げたりといったことが可能だ。また、「Alexa Voice Service(AVS)」と呼ぶ、Alexa対応製品の開発キットも公開している。

またEchoの日本発売にあわせるかたちで、新たな定額制の音楽ストリーミングサービス「Amazon Music Unlimited」を国内で開始した。Echoのほか、スマートフォンやタブレットなどで再生可能で、国内外4000万曲以上の楽曲が聴き放題となっている。さらに楽曲をダウンロードしてオフラインで再生することも可能だ。価格は個人プランが月額980円、Amazonプライム会員であれば780円、Echoユーザーであれば月額380円となっている。

発表会で展示されていた「Echo Plus」

注目集まる「ライブコマース」の展望は? メルカリ、Candee、BASEがTC Tokyoで語る

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左からメルカリ執行役員の伊豫健夫氏、Candee代表取締役副社長CCOの新井拓郎氏、BASE 代表取締役CEOの鶴岡裕太氏

いよいよ来週に迫った「TechCrunch Tokyo 2017」だが、ここでまた新たなセッションの紹介をしたい。初日11月16日午後のパネルディスカッションのテーマは日本でもいよいよサービスが立ち上がってきた「ライブコマース」だ。

ライブコマースとは、著名人やインフルエンサーから一般ユーザーまで、スマートフォンでライブストリーミングを行い、その配信を通じてモノを売るECのことだ。すでにライブコマースが人気を集めている中国では、2015年前後にライブ配信プラットフォームが勃興。2016年には中国最大級ECサイトの「淘宝網(Taobao/タオバオ)」もライブコマースプラットフォームの「淘宝直播」をスタート。ここでは2時間で約3億円の商品を売り上げた配信者も登場したといった事例も生まれている。

では日本の状況を見てみると、まだまだサービスは黎明期。「ニコニコ動画」や「ツイキャス(TwitCasting)」のようなライブ配信プラットフォームはすでにあれど、「配信」と「コマース」はほとんど分断されている状態で、ライブコマースに特化したプラットフォームが立ち上がったのはほぼ最近のこと。今回のTechCrunch Tokyoでは、メルカリ執行役員の伊豫健夫氏、Candee代表取締役副社長CCOの新井拓郎氏、BASE 代表取締役CEOの鶴岡裕太氏に登壇して頂き、それぞれの戦略や展望を語ってもらう予定だ。

メルカリは7月、フリマアプリの「メルカリ」上に「メルカリチャンネル」をローンチ。当初は芸能人やタレントがライブ配信を行っていたが、現在では一部のユーザーに限定してその機能を開放している。アプリ上に表示されたランキングを見ると、すでに1週間で2000点以上のアイテムを販売するユーザーも出ているようだ。

メルカリよりひと月早い6月にライブコマースアプリ「Live Shop!」をローンチしたのがCandeeだ。映像、音楽領域の出身者も多い同社は、会社設立から2年間で1300本以上の動画の制作・配信を請け負ってきた。その中でもライブ動画は500本以上ということで、そんな制作・配信ノウハウやインフルエンサーのネットワークを生かした番組作りが特長だ。また、コマースに関しては、アプリ内での決済から商品まで、自社で一気通貫で提供するという。

9月に入ってライブコマースの機能をスタートさせたのはEコマースプラットフォーム「BASE」を提供するBASEだ。BASEのアプリ上で、時間を限定するかたちで店舗向けにライブコマース機能を提供している。BASEにはこれまで40万店舗以上が出店しているが、その店舗をフォローしていれば、店舗運営者による配信を閲覧できるという仕組みだ。インフルエンサーの起用なども行うが、店舗とユーザーのコミュニケーションのためのツールというところに主眼を置いているように見える。

3社によるパネルディスカッションのほか、米ユニコーン企業のスピーチや国内気鋭スタートアップのプレゼンテーションなどが盛りだくさんのTechCrunch Tokyo、チケットは絶賛販売中だ。5枚以上の申し込みで1人あたり半額の2万円(税込)で購入することができる団体割引も用意している。また、創業3年未満のスタートアップ企業の従業員であれば、引き続きチケット価格は1万5000円だ。

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続くファンド組成、エンジェル台頭、ハイテク領域への注目——2017年の投資動向をTC Tokyoで学ぶ

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左からインキュベイトファンド 代表パートナーの村田祐介氏、投資家の千葉功太郎氏

いよいよ今週11月16〜17日開催と迫った「TechCrunch Tokyo2017」。まだ紹介できていなかったセッションをここで紹介しよう。2日目、11月17日の午後には、インキュベイトファンド 代表パートナーの村田祐介氏と、投資家の千葉功太郎氏によるセッション「ベンチャーキャピタリストと個人投資家が語る、国内スタートアップ投資の最新事情」を開催する予定だ。

村田氏は、独立系VCでベンチャーキャピタリストとして投資を行うかたわら、一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)企画部の部長としてVC業界の動向を調査。昨年登壇頂いたセッションでもその調査資料をベースに日本のスタートアップ投資の動向が語ってくれた。今回も同様の資料を中心に、この1年の投資動向について語ってもらう予定だ。僕の記憶しているところでは、今年は昨年に続いて独立系ベンチャーキャピタルの大型新ファンドが複数組成されているほか、研究開発が先行するハイテク領域の投資が進んでいる認識だ。はたしてデータで見るとどのようになっているのだろうか。

一昨年のTechCrunch Tokyoではコロプラ取締役副社長として活動するかたわらでのエンジェル投資活動について語ってくれた千葉氏。その後コロプラを離れ、エンジェル投資家として個人でスタートアップに対して投資を行いつつ、「千葉道場」と呼ぶメンタリング合宿等を開催するほか、各種VCファンドのLP、ドローン特化ファンドの「Drone Fund」のジェネラルパートナーなどでスタートアップの投資に関わっている。

先日千葉氏が「(前回の登壇から)2年の変化」として語ったのは、「エンジェル投資家」の認知の拡大。確かにこの数年でイグジットした経営者らがシード期のスタートアップに投資を行うことは増えており、すでにエコシステに組み込まれているといっても過言ではない。実際TechCrunchの記事でも、「エンジェル投資家の●●氏より資金を調達した」なんてニュースが増えてきている。千葉氏には、自身の経験を中心にエンジェル投資家が担うエコシステムがどう変化しているかを語って頂く予定だ。

チケットは引き続き販売中だ。創業3年未満のスタートアップ企業の従業員向けのチケットは1万5000円、5枚以上の申し込みで1人あたり半額の2万円で購入できる団体割引も用意している。

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TC Schoolは12月7日開催、テーマは「スタートアップ採用のリアル」——インキュベイト和田氏、dely堀江氏、ジラフ麻生氏ら登壇

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明日はいよいよ大型イベント「TechCrunch Tokyo 2017」が開催されるが、ここでは12月7日、人材に特化したイベントを開催することをお知らせをしたい。

TechCrunch Japanでは、「TechCrunch School」の名称で、特定のテーマを設定したイベントを開催している。これまで3月、7月、9月には人材領域を軸に、HR Techサービスのトレンドや働き方、人材戦略といったテーマでイベントを繰り広げてきた(過去のイベントについてはこちらを参照)。

今回のテーマは「スタートアップ採用のリアル」。資金調達や新サービスのローンチと、ポジティブなニュースが飛び交うスタートアップも、そのすべての基本となるのは「人」がいてこそ。だが創業期のスタートアップが優秀な人材、カルチャーにフィットした人材と出会うのはそう簡単なことではない。それこそ昨年のTechCrunch Tokyoのセッションのひとコマでは、「はっきり言ってしまえば、『スタートアップには新卒でも中途採用でも、優秀な人は来ない』という前提で採用活動をする必要がある」なんていう厳しい意見も飛び交ったくらいだ。そこで今回は、経験豊富なキャピタリストや気鋭の起業家をお呼びし、採用の現場でのリアルな体験、成功や失敗について学んでいきたい。特に、創業メンバー数人から数十人規模になるというフェーズについて聞ければと思っている。

今回のTechCrunch Schoolもキーノートスピーチとパネルディスカッションの二部構成となっている。キーノートスピーチでは、11月に100億円規模の新ファンドを立ち上げたことを発表したばかりの独立系ベンチャーキャピタル、インキュベイトファンド代表パートナーである和田圭祐氏に登壇頂く。インキュベイトファンドと言えば創業期からのスタートアップを支援するベンチャーキャピタル。資本施策やプロダクトだけでなく、人材採用などの支援もしている。最近では専任のHR Patnerが就任。ヘッドハンターや人材会社に対して投資先を紹介するといった取り組みも行っている。そんなインキュベイトファンドの和田氏に、スタートアップの人材施策について語ってもらう予定だ。

またパネルディスカッションでは、dely代表取締役の堀江裕介氏、ジラフ代表取締役麻生輝明氏、エン・ジャパン執行役員の寺田氏らに登壇頂く予定だ。delyと言えば、3月には総額30億円という大型資金調達を実施。自社で手がける料理動画の「KURASHIRU」も好調だが、以前には、ピボットに際して共同創業者を除く社員全員が辞めるという経験もあったという。堀江氏にはそんな苦い経験からの学び、そして現在に至るまでの採用ストーリーについて聞いてみたい。

一方価格比較サービスの「ヒカカク!」やスマートフォンフリマサイト「スマホのマーケット」などを提供するジラフは、創業間もなくグリー投資担当だったCOOが参画。そのほか会社経営経験者3人を含んだ経営体制を早い時期から作ってきているという。麻生氏にはその体制作りや仲間集めの方法について聞いていきたい。エン・ジャパン執行役員の寺田輝之氏には、自社の採用とともに、企業の採用について長年見てきた立場からアドバイスをもらえればと思っている。さらなる登壇者も調整中だ。

イベント会場は、TechCrunch Japan編集部のある東京・外苑前のOath Japan株式会社オフィスのイベントスペース(通称「スタジアム」)。今回も80人程度の参加を予定している。セッション後はドリンクと軽食を提供する懇親会も予定している。参加は無料となっている。

また、パネルセッションでは質問ツールの「Sli.do」も利用して、会場からの質問にも回答しつつ、インタラクティブで熱量の高いセッションを展開してきたいと思う。創業メンバーから人材を拡大したい起業家、人材採用に悩むスタートアップの経営陣、人事担当者など、幅広く参加をお待ちしている。

【イベント名】TechCrunch School #12 「HR Tech最前線(4)」 presented by エン・ジャパン
【開催日時】12月7日(木) 18時半開場、19時開始
【会場】Oath Japanオフィス(TechCrunch Japan編集部のあるオフィスです。東京都港区南青山2-27-25 ヒューリック南青山ビル4階)
【定員】80人程度
【参加費】無料
【主催】 Oath Japan株式会社
【協賛】エン・ジャパン株式会社
【当日イベントスケジュール】
18:30 開場・受付
19:00〜19:05 TechCrunch Japan挨拶
19:10〜19:40 キーノート講演(30分)
19:45〜20:30 パネルディスカッション(45分)
20:30〜20:40 ブレーク
20:40〜22:00 懇親会(アルコール、軽食)

【スピーカー】
■キーノート
インキュベイトファンド 代表パートナー 和田圭祐氏

■パネルディスカッション
dely 代表取締役 堀江裕介氏
ジラフ 代表取締役 麻生輝明氏
エン・ジャパン 執行役員 寺田輝之氏
ほか調整中
TechCrunch Japan 副編集長 岩本有平(モデレーター)

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サービス運営2カ月弱での大型イグジット、買取アプリ「CASH」運営のバンクをDMM.comが70億円で買収

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左からバンク代表取締役兼CEOの光本勇介氏、DMM.com代表取締役社長の片桐孝憲氏

“目の前のアイテムを一瞬でキャッシュ(現金)に変えられる”とうたう買取アプリ「CASH(キャッシュ)」。そのコンセプト通り、ファッションアイテムなどをアプリで撮影するだけで即査定というシンプルで素早い現金化のフローもさることながら、サービスローンチからわずか16時間でユーザーからの申し込みが殺到し過ぎてサービスを2カ月ほど停止したこと、さらにはその16時間で3億6000万円分の「キャッシュ化」がされたことなどとにかく話題を集め続けている。そんなCASHが創業から約8カ月、サービス運営期間で言えばわずか2カ月弱で大型のイグジットを実現した。

DMM.comは11月21日、バンクの全株式を取得、子会社化したことを明らかにした。買収は10月31日に合意。買収金額は70億円。代表取締役兼CEOの光本勇介氏をはじめ、6人いるバンクのメンバーは引き続きCASHを初めとしたサービスの開発を担当する。今後は、DMMグループの持つ資本力やシステム基盤、サービス体制を連携させることで、拡大成長を目指すとしている。

「リリースしてから思ったことは、僕たちが取りたい市場には想像した以上のポテンシャルがあるということ。ただ、需要があるからこそ、競合環境も厳しくなると考えた。市場が大きくなる中で、それなりの自己資本も必要。(資金を調達して)一気にアクセルをかけなければならないこのタイミングでの戦い方を考えている中で今回の話を頂いた」

「DMMグループはいわば現代の超クールな総合商社。金融にゲームから、水族館にサッカーチームまで持っている。一方で僕たちみたいなサービス運営が2カ月、売上もこれからの会社の買収も数日で決めてしまう。こんなに“ぶっ込んでいる”会社はない。大きい市場を取りに行こうとしているときに、経済合理性をいったん置いてでも挑戦する会社がサポートしてくれるというのは、とても心強い。困っていることや強化したいことを相談すると、ほとんど何でもある。例えば物流まで持っているんだ、と」

光本氏は今回の買収についてこう語る。

一方、DMM.com代表取締役社長の片桐孝憲氏は、同年代(片桐氏は1982年生まれ、光本氏は1981年生まれ)の経営者である光本氏を自社に欲しかった、と語った上で、「(光本氏は以前ブラケット社を創業、イグジットした上で)2回目でもいいサービス、いいチームを作っていると思っていた。もともとDMMでも(CASHのようなサービスを)やるという話はあったが、結局チームまではコピーできない。とは言えバンクを買収することは不可能だと思っていたので、ちょっと出資ができないかと思っていた」と振り返る。

買収のきっかけとなったメッセージ

片桐氏は以前から競合サービスの立ち上げについてDMM.comグループ会長の亀山敬司氏と話していたが、10月になって事態が動き出したという。片桐氏の海外出張中に、以前から面識があったという亀山氏が、光本氏に直接メッセージを送り、翌日の食事に誘って買収の提案を行ったのだという。その後はトントン拍子で話が進み、約1カ月で買収完了に至った。「きっちりとCFOがデューデリジェンスもしているが、基本的に口頭ベースで合意したのは5日くらいのスピードだった」(片桐氏)

ちなみに今回の買収、光本氏にはロックアップ(買収先の企業へ残って事業の拡大をする拘束期間。通常2〜3年程度付くことが多い)が設定されていないという。「もし明日辞めても、『そっかー……』というくらい。ロックアップというのは意味がないと思っている。僕が担当した会社(DMM.comが買収したnana musicとピックアップのこと)はロックアップがない。経営者との関係性や経営者のやる気がなくなったら意味がないから。僕がバンクを経営できるわけではない。モチベーションを上げるためのソースがないと無理だと思っている。(買収は)事業を付け加えていくことというよりは、いい経営者にジョインしてもらうこと」(片桐氏)

光本氏は先週開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2017」にも登壇してくれており、その際にも尋ねたのだけれども、現状CASHに関する細かな数字については非公開とのこと。「まだ運営して2カ月くらいのサービスなので、僕たちもまだデータをためている段階。ただ、2カ月前に再開して、改めて確信したのは、今までは二次流通や買取の市場——つまり『モノを売る』という手段の一番簡単なものがフリマアプリだと捉えられていたが、(より手軽という意味で)その下はもっとあったのだということ。この市場はフリマアプリと同様に持っていけるポテンシャルがある。それをただただ構築していきたい」(光本氏)

また、少額・即金という資金ニーズに対応するCASHに対して、FinTechをもじって「貧テック」と揶揄する声もあったが、「全く理解できない。前提として僕たちは1円でも高く買い取れるよう努力している。今の時点でも、不利に、安く買いたたいているわけではない。『この価格ならノールックで買い取らせて頂ける』と提示しているだけだ」と反論した。

バンクはDMM.com傘下で開発体制も大幅に強化する。すでにDMMグループからの出向も含めて人数を拡大中で、2018年中には100〜150人規模を目指して採用を進めるとしている。また当初はCASH以外のサービスも展開するとしていたが、「機会があれば(DMMと)一緒に新しい事業をやっていきたい。会社としてはやりたいネタがいっぱいある。まずはCASHに注力しつつ、新規の事業も出していきたい」(光本氏)と語っている。

なお11月20日にはヤフーがオークションサービス「ヤフオク!」内で、ブックオフコーポレーション、マーケットエンタープライズと連携した家電・携帯電話・ブランド品などの買い取りサービス「カウマエニーク」を公開している。こちらはブックオフ店舗持ち込みか宅配による買い取りだが、フリマに続いて買取のマーケットにも続々動きがありそうだ。

ツクルバが新組織とコワーキングスペース、リノベ物件販売の「cowcamo」中心に開発を強化

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左からツクルバ代表取締役CCO・クリエイティブディレクターの中村真広氏、代表取締役CEOの村上浩輝氏

リノベーション住宅など、中古住宅に特化した流通プラットフォーム「cowcamo」の運営などを手がけるツクルバ。同社が新たな組織となる「tsukuruba studios(ツクルバスタジオ)」を立ち上げた。また、オフィススペースの一部にコワーキングスペースを設置(12月に完成予定)。社内外のクリエイターによる共創の場を作るという。

2011年設立にツクルバは、不動産業・ウェブのビジネスを経験した代表取締役CEOの村上浩輝氏と建築学科出身・デザインに精通した代表取締役CCO・クリエイティブディレクターの中村真広氏による共同創業のスタートアップ。もともと東京・渋谷のコワーキングスペース「co-ba」の運営から事業を開始したが、その後は空間プロデュース(たとえ東京・六本木にあるメルカリのオフィスも彼らのデザインだ)やcowcamoのような自社サービス(11月24日にはcowcamoのアプリもリリースした)、グループ会社であるアプトによるリアルスペース運営(11月にアカツキが買収)などを手がけてきた。

「受託から自社事業の会社を目指す」とは以前の取材でも聞いていたが、空間デザインを中心にしたクライアントワークはメルカリのオフィスなど大きいものやコンセプチュアルなものに限定しているとのことで、すでに自社サービスのcowcamoがビジネスの中心になっているのだという。同サービスは月次流通額で二桁億円規模まで見えており、年次ベースでは三桁億円まで届く見込み。すでに事業部単位での黒字化も達成しているのだという。開発体制も強化しており、この1年で社員は25人から60人弱に拡大。その3分の1がデザイナーやアーキテクト、エンジニアといったクリエーター人材だ。

「『デザインの会社がとりあえずウェブサービスをやっているんでしょ?』といった文脈で捉えられることも多いが、リリースから2年を越えて、cowcamoは相当な成長をしている。6月頃にはティッピングポイントを超えたと思っている。サービス開始当初から、全体の体験や価値観にこだわってきたからこそで、それができたのは共同代表の中村がクリエーター出身ということも大きい」(村上氏)

今回新設するtsukuruba studiosは、そんな自社サービスに関わるクリエーター人材の拡大を狙っているようだ。これまで事業部ごとに紐付いていたクリエーターを新設のスタジオに集約。今後はプロジェクト単位でスタジオに所属するクリエーターが関わるような開発体制を採るという。またスタジオ立ち上げに際して、エンジニアを20人規模で採用することを目指す。加えてコワーキングスペースでは、社内クリエーターに加えて外部クリエーターがさまざまなプロジェクトに関わり、共創する環境を作るをことを狙うとしている。

tsukuruba studiosのメンバーら。立ち上げ準備中のコワーキングスペースにて

【増席】TC Schoolは12月7日開催、テーマは「スタートアップ採用のリアル」——プレイド倉橋氏、dely堀江氏、ジラフ麻生氏ら登壇

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いよいよ来週12月7日に迫ってきたイベント「TechCrunch School」。登壇者のアップデートと、増席のお知らせをしたい。

TechCrunchでは、毎年11月に開催するイベント「TechCrunch Tokyo」の他に、テーマを設定した80〜100人規模のイベントであるTechCrunchSchoolを開催している。今年は3月からHR Techサービスのトレンドや働き方、人材戦略といった人材領域をテーマにしたイベントを展開している(過去のイベントについてはこちらを参照)。

今回12月7日のテーマは「スタートアップ採用のリアル」。以前もお伝えした通りだが、スタートアップ業界の基本となるのは「人」だ。だが創業期に優秀な人材、カルチャーにフィットした人材と出会うのは難しい。そこで今回は、経験豊富なキャピタリストや気鋭の起業家をお呼びし、採用の現場でのリアルな体験、成功や失敗について学んでいきたい。特に、創業メンバー数人から数十人規模になるというフェーズについて聞ければと思っている。

今回のTechCrunch Schoolもキーノートスピーチとパネルディスカッションの二部構成となっている。キーノートスピーチでは、新ファンドの立ち上げを発表したばかりの独立系ベンチャーキャピタル、インキュベイトファンド代表パートナーである和田圭祐氏と、投資先の人材支援を手がけるHR Partnerの壁谷俊則氏に登壇頂き、パートナーを中心にして創業期のメンバー集めから先、数人〜数十人規模の人材を集めるための施策について語って頂く予定だ。

またパネルディスカッションでは、すでに告知済みのdely代表取締役の堀江裕介氏、ジラフ代表取締役麻生輝明氏、エン・ジャパン執行役員の寺田氏に加えて、プレイドの倉橋健太氏に登壇頂く予定だ。各社ともTechCrunchでもご紹介させてもらっている成長中のスタートアップだが、ここまでの成長、そして採用にはさまざまな苦労があったと聞いている。このあたりの「リアル」な話を聞いていきたいと思っている。また、告知からすぐに埋まってしまった座席についても、このタイミングで追加している。もちろん参加費は無料だ。

イベント会場は、TechCrunch Japan編集部のある東京・外苑前のOath Japan株式会社オフィスのイベントスペース(通称「スタジアム」)。セッション後はドリンクと軽食を提供する懇親会も予定している。

また、パネルセッションでは質問ツールの「Sli.do」も利用して、会場からの質問にも回答しつつ、インタラクティブで熱量の高いセッションを展開してきたいと思う。創業メンバーから人材を拡大したい起業家、人材採用に悩むスタートアップの経営陣、人事担当者など、幅広い参加をお待ちしている。

【イベント名】TechCrunch School #12 「HR Tech最前線(4)」 presented by エン・ジャパン
【開催日時】12月7日(木) 18時半開場、19時開始
【会場】Oath Japanオフィス(TechCrunch Japan編集部のあるオフィスです。東京都港区南青山2-27-25 ヒューリック南青山ビル4階)
【定員】80人程度
【参加費】無料
【主催】 Oath Japan株式会社
【協賛】エン・ジャパン株式会社
【当日イベントスケジュール】
18:30 開場・受付
19:00〜19:05 TechCrunch Japan挨拶
19:10〜19:40 キーノート講演(30分)
19:45〜20:30 パネルディスカッション(45分)
20:30〜20:40 ブレーク
20:40〜21:30 懇親会(アルコール、軽食)

【スピーカー】
■キーノート
インキュベイトファンド 代表パートナー 和田圭祐氏
インキュベイトファンド HR Partner 壁谷俊則氏

■パネルディスカッション
プレイド 代表取締役 倉橋健太氏
dely 代表取締役 堀江裕介氏
ジラフ 代表取締役 麻生輝明氏
エン・ジャパン 執行役員 寺田輝之氏
TechCrunch Japan 副編集長 岩本有平(モデレーター)

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サイバーセキュリティクラウドがAWSに対応したウェブセキュリティ新製品「WafCharm」発表

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最近でも顧客情報の漏洩にまつわる大きな事件がいくつかあったが、サイバーセキュリティへの注目は高まるばかりだ。そんな中、ウェブセキュリティサービス「攻撃遮断くん」を提供するサイバーセキュリティクラウドが12月12日、新サービスの「WafCharm」を発表した。第1弾としてAmazon Web Service(AWS)が提供するAWS WAFへサービスの提供を開始した。

サイバーセキュリティクラウドが提供するWAF(Web Application Firewall)とは、ウェブサイトやウェブアプリケーションを対象にした攻撃を防御するセキュリティ製品のこと。一例を挙げれば、ウェブサイトの脆弱性を突くことで、フォーム上に本来想定しない文字列を入れて、その結果としてデータベース内の情報を表示させるといったような攻撃があった場合、そのシグネチャー(攻撃のパターン)を把握し、攻撃を防ぐといったことができる。

WAFには、アプライアンス(専用ハード)型のもののほか、サーバ上で稼働するソフトウェア型、クラウド型といった種類があるが、攻撃遮断くんはクラウド型(厳密にはサーバ上にエージェントを導入して、ログをWAFセンターに送信するクラウド連動型WAFと、DNSをWAFセンターに切り換えることでユーザーと顧客間にWAFセンターを入れるSaaS型WAFの2種類)に特化したサービスを提供している。

サイバーセキュリティクラウドは2010年8月の設立で、攻撃遮断くんのサービスは2013年12月にスタート。1サイトあたり月額4万円(初期費用1万円)からの定額制という価格設定や、毎月のレポート提供、最大1000万円までの補償するサイバー保険が付帯(損害保険ジャパン日本興亜、フィナンシャル・エージェンシーの協力のもと提供。ただし、まだ事例はないそうだ)などの機能が評価され、最後発のWAF製品ながらNTTドコモや全日空など4000サイトへの導入事例があるという。

今回発表したWafCharmは、攻撃遮断くんでのノウハウをもとにした、シグネチャーの自動運用サービス。

AWSは2015年からWAFを提供しており、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)をはじめとした脅威には対応しているものの、ユーザーが自ら運用ルールを設定するため、セキュリティに対する知識が必須となっていた。そこで11月30日にセキュリティ専門ベンダー作成したルールをAWS WAFに設定できるマネージドルールセットを発表している。ただそれでも、ユーザーごとの個別チューニングやカスタマイズ、誤検知などの対応は課題となっているという。WafCharmを導入することで、個別チューニングやカスタイズ対応をサイバーセキュリティクラウドが対応し、最新の脆弱性に対応できる体制を作るという。

価格は初期費用無料で月額5000円(国外は50ドル)。まずは国内を中心にユーザーを集め、春以降には米国を中心に海外へのサービス展開を進めていく。同社では2018年中に全世界で1万ユーザーの利用を目標とする。

Launch Padの第1位、店舗の空きスペースをコインロッカーに変える「ecbo cloak」に

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12月12日〜13日にかけて石川県・金沢市で開催中の招待制イベント「Infinity Ventures Summit 2017 Fall in Kanazawa」。13日午前にはピッチコンテスト「Launch Pad」が行われた。予選を通過した12社のスタートアップが、1社6分のプレゼンテーションに望んだ。1位となったのは店舗の空きスペースなどを荷物置き場として利用できるecboの「ecbo cloak」だった。2位は東京ロケットの「助太刀くん」、3位はカバーの「hololive」、4位はZEALSの「fanp」、5位は空の「ホテル番付」だった。登壇企業とサービスの概要は以下の通り。

東京ロケット「助太刀くん

建築業者と職人をマッチングするサービス。職種と地域を設定すれば、職人に最適な現場の情報がプッシュされる。セブン銀行とも連携。11月29日にiOS版のサービスを開始しており、現在1000人以上の職人が登録。初日に有料プラン契約、2日目にマッチングが成功しているという。建設業では、職人の職種が70種類、また職人を囲い込む商慣習があり、その課題解決のためにサービスを生み出した。無料サービスと月額1980円の有料サービスを提供。今後はペイメントや、その信用スコアを元にしたサービスも展開予定。

matsuri technologies「nimomin

2018年6月から始まる民泊新法では、民泊での物件利用が年間180日までに制限されている。そのため、民泊オーナーは撤退や民泊破産の危機にあるという。nimominはその残り民泊利用が制限された半年間(185日)の物件をマンスリーマンションとして提供するサービス。民泊オーナーがAirbnbのアカウントを使って物件を登録すれば、マンスリーマンション事業者が専用サイトにて、条件に合った物件を検索できる。Airbnbと連携し、公式APIを利用している。現在7500室が登録していくという。今回、自社APIも公開。プラットフォーム化を進めるという。

空「ホテル番付

ホテルの料金決定を支援するサービス。ネット上にホテルが公開している料金と部屋数をもとに各ホテルの売り上げランキング、売れ行き、競合ホテルとの稼働率の比較を算出。現在1000のホテル情報を閲覧可能。空はホテルの料金決定支援サービス「Magic Price」(月額3万円)を提供しているが、ホテル番付から送客することでマネタイズを進めるという(ホテル番付自体は月額無料〜1万円で提供)。今後はホテルに限らず幅広い領域での料金決定支援サービスの展開を検討しているという。

ecbo「ecbo cloak

店舗の空きスペースなどを荷物置き場として利用できるサービス。国内のコインロッカー数は現在22万個だが、ニーズを考えるとあと30万個は足りない状況。その解決を目指すがecbo cloakだ。ユーザーはスマホで預けたいエリア、店舗とスケジュールを選択。店舗側は荷物の写真を撮ればサービスは完了。支払は事前に登録したクレジットカードで行う。バッグサイズで1日300円、スーツケースサイズで1日450円。保険で20万円までを補償するという。現在はJR東日本とも連携。東京駅でもサービスを利用できる。プレゼンでは、今後はボタン1つで荷物の配送ができる「ecbo delivery」を展開することを発表した。

あいりぺ「MAIZOKIN

引き出しに眠った「埋蔵ケータイ」は合計1.7兆円規模とも言われているが、MAIZOKINはそんなケータイを買い取りするサービス。買取サービス自体はほかにもあるが(同社いわく、古い端末までをターゲットとしている直接的な競合はいないとのこと)、このサービスのポイントは、データの完全消去と、過去に撮影した写真をアルバム化できること。買取のフローは、売りたいフィーチャーフォンやスマートフォンの種類を選択し、写真を撮影すれば、すぐに買取価格が提案される。価格に同意すればあとは端末を送ればいい。サービスは2018年4月リリース予定だが、現在はLINE上での買取サービスを展開している。

FutuRocket「HACKFON

既存のアナログ電話機をIoTリモコンに変えるデバイス。ダイヤル信号をデジタル化し、サーバに送信することで、スマート家電を操作したり、Amazon ダッシュボタンとして利用したりできる。スマートフォンアプリとは異なり、12個の物理キーを組み合わせて使うことができるため、子どもから年長者まで幅広く利用できるのがウリ。本日よりクラウドファンディングを展開。将来的にはホテルや工場などの法人向け展開を検討している。

OQTA「OQTA
スマートフォンでハトを鳴かせることができる「IoT鳩時計」。コミュニケーション手段に言語でなく、音を使うことで、「言葉では伝えることができない愛情を届けることができる」とアピールする。最大8人で1つの鳩時計を操作できる。実機のデモではハトの鳴き声で会場の笑いを誘った。ちなみにハトの鳴き声は電子音ではなく、“こだわりのふいご”だそうだ。現在クラウドファンディングサービスの「MAKUAKE」にて購入可能。ビジネスモデルは「現在考え中」とのことでパートナーを募集しているとのこと。

カバー「hololive

キャラクターに会えるライブ配信サービス。センサーやVR用コントローラーを使ってキャラクターを操作し、その映像をユーザーに配信することが可能。キャラクターはセンサーで体の動きと同期するだけでなく、ボタン操作で表情を変えることも可能。ライブ配信サービス「17 Live」で配信した際には、台湾を中心に同時視聴者数2.6万人を記録した。今後はVRだけでなく、ARでのライブ配信も予定する。ビジネスは課金とアニメ等のプロモーション利用を想定する。今後は中国市場もターゲットにサービスを展開する。同社はHTCのアクセラレータープログラムの「Vive X」にも採択されている。次期バージョンのサービスでは顔認識に対応し、スマートフォンでの配信を行っていくという。

EXPVR「BE THE HERO

現状のVRゲームは自由に動き回れず、コントローラーで指定した位置にワープすることがほとんど。これは移動時の「酔い」があることに由来する。同社が開発するのは「酔わない移動システム」。これまで合計10の移動方式を開発しているという。これを元にして開発したのがVRゲームのBE THE HEROだ。現在は、腕振りによる「ランニング」で移動し、敵を倒すという忍者のゲームを提供しているが、今後は魔法少女、ダークヒーローのゲームも提供するという。太平洋標準時間の12月13日よりアーリープロトタイプ版を提供する。今後は2018年2月にアーリーアクセス版、2019年1月には正式版をリリースする予定だという。

リンクライブ「Stock

チャットツールは便利だが、情報が流れていく「フロー」なツール。Stockは、「ストック」型の情報を共有できるサービスになる。EvernoteライクなUIでテキスト入力、ドラッグアンドドロップによる画像挿入などをすれば、更新日などの順番でノート(情報の単位)をストックし、閲覧・編集することができる。ノートに対してタスクを設定することができるほか、ノート単位でのチャットが可能。9月にベータ版をローンチし、中小のチームを中心に1200以上のチームで利用されている。サービスは月額無料と、840円の有料版を用意する。

Laboratik「A;

「管理しないマネジメントツール」をうたうスマートボット。Slackにこのボットを導入することで、コミュニケーションの内容を判断。メンバーごとの会話量や、感情のネガ・ポジ、重要な情報のストックなどができる。これを使うことでコミュニケーションの偏りをなくしたり、ネガティブな投稿の多く、疲れの見えるメンバーの休息促進などができる。2月にベータ版をリリース。現在は日米700社が利用している。料金は無料版から1ユーザーあたり500円のスタンダードプラン、料金応相談のエンタープライズプランを用意。今後は連携するコミュニケーションサービスを拡大していく。

ZEALS「fanp

インフィード広告からランディングページに来たユーザーは、そのプロダクトの潜在ユーザーであり、すぐにコンバージョンできず、CVRが上がらない(0.8%程度)という。fanpでは、インフィード広告をクリックすれば、直接メッセンジャーが立ち上がり、ボットを使ったコミュニケーションによって、プロダクトの紹介などができる。メッセンジャーから離脱したユーザーなども、Facebook情報や会話ログの確認が可能。後日メッセージを送るといったこともできる。

 

必要なのは「情熱、軍資金、健康」——ドリコム内藤氏は自社の大危機をどう乗り越えたか

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ドリコム代表取締役社長の内藤裕紀氏

「創業者、経営者に必要なものは、飽くなき事業への情熱、再起を図れる軍資金、そして健康な体。この3つと思っている。そして人生何が起こるか分からないので、何が起きても楽しむというのが大事だと思う」——これはドリコム代表取締役社長の内藤裕紀氏が、自身の会社と人生を振り返って語った言葉だ。

12月12日〜13日にかけて石川県・金沢市で開催された招待制イベント「Infinity Ventures Summit 2017 Fall in Kanazawa」。13日午後のセッション「IVS Dojo」には上場や事業売却などを経験した経営者ら6人が登壇。若い経営者たちに向けたプレゼンテーションを行った。ここではその内藤氏のプレゼンテーション「会社のGoing Concern、人生のGoing Concern」について紹介する。

2001年に学生起業の有限会社としてスタートし、2003年に株式会社化したドリコム。2004年に開催されたイベント「NILS」で出会った経営者らの言葉をきっかけに、上場を目指すことを決めたという。「そこから会社のGoing Concern(企業が永久に継続するという仮定)が始まった」(内藤氏)

売上2億円超で時価総額1200億円の会社に

当初はブログサービスを展開していたドリコム。内藤氏はあるとき、10億円での買収提案を受けたのだという。

「一晩考えて、10億円入っても面白くないなと思って断った。そこから1年と2カ月後くらいに上場申請をするところまで最短でいった。会社としても、業界的にも、上場申請をウェルカムと言われた」(内藤氏)

上場申請を行ったのが2006年1月6日。だがその10日後に大きな事件が起こることになる。いわゆるライブドアショックだ。ライブドア(当時)に対して証券取引法違反容疑で、東京地検特捜部が強制捜査を行った。その結果、ITセクターを中心に株式市場が暴落するに至った。

「当時を知らない方も一杯いらっしゃいますが、連日報道が続く状況。僕たちもライブドアショック後最初のインターネット案件だったので、『上場取りやめにしようか』というまでになっていた。人生何が起こるか分からないな、とすごく感じた」(内藤氏)

そこからさまざまな交渉なども経て、ドリコムは2006年2月6日に東証マザーズ市場に上場した。時価総額は1200億円。しかし直前期の決算を見れば、売上高が2億3853円、経常利益が9106万円、純利益が5449万円。会場からは「バブル」といった声も飛んでくる。

 

「こんな状況で27歳。当時は株価が高すぎると、証券会社が『売った方がいい』とアドバイスしていた。(もともと)売るつもりはなかったけれども、あぶく銭が入ってくるわけです。あぶく銭だから使っちゃおうかなと…」(内藤氏)

そこで浪費をしてみるも、自分自身にそこまで物欲がないことに気付いたという。一方で、ライブドアショックの結果、さまざまなメディアからの取材を受けることになる。「密着取材があったり、企業の広告をやったりしていると、すごくモテ始めるんですね。モテ始めて、お金があって、何が起こるかというと……普通は人生において目標があって1つ1つかなえていくが、27歳でほとんど全部かなっちゃうんですね。逆に40年、50年、何をやるか、人生のGoing Concernがここから始まる」(内藤氏)

赤字、従業員の前で再建計画

だが、そんな状況も続かない。ドリコムは1年後の2007年2月に赤字転落することになる。時価総額に見合う事業規模への成長を目指した結果、新規事業に大きくコストをかけることになった。またモバイル事業を展開していたJ-KENを数十億円で買収。赤字で市場から資金を調達することが難しかったため、18億円の借入を行った。

「銀行でお金を借りたことがある人は分かると思うが、2期連続で赤字になると『返せ』となる。すでにもう1期赤字。ここから1年で黒字にしないといけない状況になった」(内藤氏)

内藤氏の個人資産もファンドに投資しており、手元には数億円しかない状況だったのだという。

「このお金を使って……まず全員従業員を集めて、現状をありのままに話すとともに再建の計画を発表するというのをやりました。ここから連日、僕のスケジュールにはずーっと派遣さんの契約を終了するための面談ばっかりが入っていた。あと会社を黒字にしなければいけないので、僕個人でお金を入れる、貸し付けをする。それだけでは足りないので、会社のあらゆる経費的なもので、法的に問題ないものは僕が全部個人で払っていくというのをやっていくんですね」(内藤氏)

 

会社の危機を救えるのは創業者しかいない

半年間、数億円をかけて会社の建て直しを行った結果、2008年の決算でなんとか経常利益400万円の黒字という結果を出した。一方で、数億円あった自身の銀行残高は約30万円になっていた。内藤氏はドリコムが困難な時期を乗り越えたことを振り返り、次のように語る。

「会社の大きな危機を救えるのは創業者しかいない。どういうことかと言うと、経済合理絵性の観点で見たら、沈む泥船に誰も乗ろうとしない。この時期に会社を離れて上場企業の社長になった方も何人かいらっしゃいますし、議員になって不倫された方も出ましたが、しょうがないかと。そうするとやはり創業者の会社への愛、事業への情熱、経済力というのが会社を救うんですね」

「日本だと上場するまでも、したあとも、個人にキャッシュがあることをあまり良く思わないという風潮があります。けれども、僕は違うと思うんです。創業者がある程度のお金を持っていないと救えないんです、大危機になった時には。だから(若い経営者には)『キャッシュはちゃんと持った方がいい』という話をしています。会社がGoing Concernになるには必要なことなんです」(内藤氏)

その後ドリコムはFacebookのオープン化にともない、ソーシャルゲームに参入する。だが今度は自身の人生の危機を迎える。2011年6月に内藤氏はギラン・バレー症候群を患ったのだという。

「急速に症状が進行して、このときにふいに訪れた会社と人生のGoing Concern。入院するときに『1年、2年で戻れるか分からない』という話だった。やっぱり事業がやりたいな、となってこうやって戻ってこられているが、人生どうなるか分からない」(内藤氏)

現在では個人としてアイアンマンレース(水泳、自転車、マラソンで合計226kmの距離を駆け抜けるレース)に参加したり、会社としてバンダイナムコと提携して、ブラウザゲームの再発明に取り組むドリコム。内藤氏は冒頭にあるように、事業への情熱、軍資金、健康な体の3つが大事だと説き、プレゼンテーションを終了した。

10秒で作成できる献立アプリ「タベリー」運営の10Xが個人投資家から5600万円調達、プロダクトの原体験は震災の中で感じた“安心”

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クックパッドが登場して間もなく20年が経ち、インターネットでレシピを投稿・検索することが当たり前になった。この数年ではkurashiruやDELISH KITCHENが登場し、料理の作り方までもを動画で知ることができるようになったし、作った料理の写真をシェアして楽しむSNSもある。食材を購入できるネットスーパーやECサイトも立ち上がってきた。

「料理×ネット」のサービスのおかげで料理の作り方や食材の買い方は飛躍的に手軽になった。それでも毎日の献立、つまり主菜に副菜、汁物までの組み合わせを1週間分考えて、その献立に沿って買い物をするなんていうのは、まだ人力での意思決定が必要だ(もちろん、レシピサイトならトップページで新着やオススメのレシピを表示したりして、意思決定の手伝いをしてくれているが)。今回紹介する10X(テンエックス)の「タベリー」は、そんな日々の献立作りを手伝ってくれるアプリだ。

タベリーは「10秒で献立作成ができる」とうたう献立アプリだ。主菜、副菜、汁物の順に、アプリから提案される複数の料理から1つを選択するだけで、手軽に献立を作ることができる。アプリが提案するのは、主菜に合う副菜、主菜・副菜に合う汁物なのだそう。また使いたい食材や用意する人数なども学習していく。このあたりのアルゴリズムに関しての詳細は聞けなかったが、機械学習を用いて、よりテイストの合う組み合わせや、ユーザーの趣向に合ったレシピを提案していくよう開発を進めるとのことだった。レシピは料理教室のベターホーム、きょうの料理(NHKエデュケーショナル)などから提供を受けており、6000件以上を用意する。最近使った食材をもとに、「あまりものから作る」といった機能も用意している。

また作成した献立とそのレシピは、カレンダー形式で保存、閲覧できるほか、選択した献立の食材をまとめて「買い物リスト」を作成することもできる。将来的にはこのリストとネットスーパーなどの連携についても構想中だ。さらに、ユーザーが実際に作った献立の写真を投稿できる画像SNSも用意。今後はコミュニティ機能も強化していくという。現在iOSでのみアプリを提供。今後はAndroidにも対応する。

サービスを手がける10Xは2017年6月の設立。今回、エウレカ共同創業者の赤坂優氏、CAMPFIRE代表取締役の家入一真氏、Connehito代表取締役の大湯俊介氏、フリークアウト・ホールディングス代表取締役社長の佐藤裕介、Fablic代表取締役CEOの堀井翔太氏ほか1名の個人投資家を引受先とした総額5600万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにしている。

10Xの代表取締役社長の矢本真丈氏は、青森県の出身。東北大学の大学院に進学したところで東日本大震災を経験した。「自分の住んでいる地域は(津波は)無事だったが、それでも1週間くらいは家に帰れず、PTSDで眠れなくもなった。それでやっと家に帰って、当時の彼女で今の妻と一緒にコンロの火を付けて、料理をしてやっと安心した。料理は日常や安心の象徴だと思ったのが、サービス立ち上げの原体験になっている」(矢本氏)

そんな矢本氏の経歴だが、卒業後は商社の丸紅でカザフスタンの資源投資ビジネスの立ち上げを経験。その後は大震災の復興支援を行うNPOの一般社団法人RCFにて、グーグルらと、東北のビジネス復興支援を行うプロジェクト「イノベーション東北」を立ち上げた。さらに今度は子供服のECを手がけるSmarbyの立ち上げに参画。同社がストライプインターナショナルに買収されたタイミングで離れ、その後はメルカリに入社したのち、自身のプロダクトを作るべく10Xを立ち上げた。

「解こうと思っているのは、『料理は続けるのが大変』だということ。日々の料理を要素分解すると、3つの課題がある。1つめは意思決定が大変ということ、2つめは買い物の時間や非効率さといった手間、3つめは料理を作ったということへの承認」(矢本氏)。冒頭に触れたように、これまでレシピ(やその手前の意思決定)、買い物、写真投稿による承認欲求の充足など、料理を軸にさまざまなサービスが提供されてきたが、それを一気通貫で提供することで、1年(365日、毎日3食で計算して)1000回以上必要な「献立」の意思決定を手軽にするというのがタベリーの狙いだ。同社は今後、調達した資金をもとにプロダクトのブラッシュアップを進めるとしている。

「育児休暇で家事全般をやって苦労を知ったので、最初は僕自身を助けたいと思って作った。女性の社会進出と言われるが、男性の家庭進出も重要。タベリーはそのためのプロダクトでもあると思っている」(矢本氏)

10Xのメンバーら。中央が代表取締役の矢本真丈氏


山田氏「技術で差別化するフェーズになってきた」——メルカリが実装までを想定した研究開発組織「mercari R4D」を設立

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「mercari R4D」のメンバーら。中央がメルカリ代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏

フリマアプリを軸に、グループ、投資先を含めて広くCtoC領域のサービスを展開するメルカリ。今度は新領域へチャレンジに向けて研究開発を強化していくという。同社は12月22日、社会実装を目的とした研究開発組織「mercari R4D(メルカリ アールフォーディー)」の設立を発表した。

同日開催された発表会の冒頭、メルカリ代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏が登壇。今までのメルカリを振り返り、UI/UXへのこだわり(エンジニア経験のある創業経営陣がおり、ユーザービリティテストを積極的に活用。また早期に分析基盤を構築してきたことなど)や積極的なマーケティング(オンラインマーケティングだけでなく、テレビCMも活用してきたこと)という2つで成長してきたと説明。

さらに直近では、AIを活用し、写真撮影をすれば自動的に商品のブランドやカテゴリ、価格などをサジェストする機能を導入。これによって出品率や出品物の販売率を向上させたほか、偽ブランドや禁止出品物の検知などに取り組んでいる。米国では、従量の自動推定にも取り組んでいるという。

「技術で差別化するフェーズになってきた」——山田氏はこれからのメルカリについてこう語り、3つの方針を打ち出した。1つめはロードマップを作って戦略的に研究・投資を実施するということ。そして2つめは現在100人ほどのエンジニアチームを3年で1000人規模まで拡大。各機能ごとにマイクロサービス化して、スケーラブルな組織を作るということ。3つめは外部パートナーとの共同研究やその実装を進めるということ。今回発表されたmercari R4Dはこの方針に沿ったプロジェクトだ。

今後の方針について

メルカリ取締役CPO(Chief Product Officer)の濱田優貴氏が説明するところによると、R4Dの言葉の意味は「Research for」の「R」と、「 開発(Development)」「設計(Design)」「実装(Deployment)」「破壊(Disruption)」の4つの「D」なのだという。いわゆるR&D(Research & Development)、研究開発との一番の違いはDeployment、つまり実装をすることだ。今回の発表でメルカリは「社会実装を目的とする」とうたっているが、採算度外視でもまず世に出してみて、反応をみていくということに重点を置くという。

なお今回発表されたパートナーと研究テーマは以下の通り。またシニアフェローとして、
アーティストのスプツニ子!氏、京都造形大学教授 クロステックデザイン研究室、ABBALab代表取締役、さくらインターネットフェローの小笠原治氏が就任する。

シャープ 研究開発事業本部
「8Kを活用した多拠点コミュニケーション」

東京大学 川原研究室
「無線給電によるコンセントレス・オフィス」

筑波大学 落合研究室
「類似画像検索のためのDeep Hashing Network」
「出品された商品画像から物体の3D形状を推定」
「商品画像から背景を自動特定」

慶應義塾大学 村井研究室
「ブロックチェーンを用いたトラストフレームワーク」

京都造形芸術大学 クロステック研究室
「Internet of Thingsエコシステム」

東北大学 大関研究室
「量子アニーリング技術のアート分野への応用」

山田氏によると、R4Dの2018年の予算は数億円程度。だが再来年以降は寄り大きくしていくという。さらに今後対象とするテーマについては、「直近1〜2年のものというより、3〜5年かかるような中長期的になるものを基準にしている」(メルカリ R4Dオフィサーの木村俊也氏)とのこと。

今後の実装イメージ

日本のVC・エンジェル投資家が予想する2018年のスタートアップ・トレンド(前編)

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テック業界と既存産業がより結びつき、仮想通貨やそれを支える技術が世に広がるなど、2017年もテック業界はさまざまな動きを見せた。それでは2018年は一体どんな年になるだろうか。毎年恒例の本企画では、ベンチャーキャピタリストやエンジェル投資家を中心にして2018年の業界予想アンケートを実施。その結果をとりまとめている。

アンケートの内容は「2017年に最も盛り上がったと感じる分野、プロダクトについて(150文字以内、自由回答)」「2018年に盛り上がりが予想される分野やプロダクト(可能であれば企業名なども)について(600文字以内、自由回答)」の2つ。アンケートの回答順にご紹介する(敬称略)。なお各VCから回答を得ているとはいえ、キャピタリストは通常カバー範囲が決まっている。各回答が必ずしもそのVCを代表する意見ではないことはご了承頂きたい。(後編はこちら

エンジェル投資家/Tokyo Founders Fund

有安伸宏
2017年の振り返り:「暗号通貨」。これほど熱くなるとは
2018年のトレンド:第一に、ICOとその周辺領域。プロダクトがちゃんとあるand/or VC-backedの「詐欺ではない」会社がトークンを発行する事例が増える。単なる資金調達ではなく、トークンセールを行うことでユーザー獲得につながる、ネットワークエフェクトが強化される等の良質のICOも少しずつ増えてくる。ICOに投資するファンド、ICOコンサル、格付け機関、比較メディア、等々、既存の金融業界に存在する機能のICO版、が形を変えて色々と出てくる。

第二に、キャズムを越えたBitcoin取引所の競争激化。スプレッド縮小。規制がかからない限り、取引所のテレビCMをたくさん目にする年に。日本のシリアル起業家の「健全な嫉妬」の対象は一年前はメルカリだったが、bitFlyerとコインチェックの2社へ。

第三に、政府 VS. 暗号通貨スタートアップ群、という対立構造がハッキリしてくること。規制当局である政府とスタートアップの世界観の違いをどう埋めるか、法律的・会計的な落とし所をどこに見据えるか、という議論が盛んに。blockchainは、分散型のプロトコルとして、権力や機能の分散化、民主化、無政府化を促すものなので、政府との対立構造が生まれてしまうのは不可避。

暗号通貨まわりで起業したい方、スタートアップ参画したい方からのコンタクトをFacebook Messenger等でお待ちしてます!

個人投資家/Drone Fund

千葉功太郎(Drone Fund General Partner)
2017年の振り返り:個人評価経済と仮想通貨・ブロックチェーン、ドローン、インバウンド、ライブ動画、宇宙
2018年のトレンド:◼︎ドローン
超黎明期から黎明期への移行とともに、2018年後半には東証マザーズへ初のドローン銘柄IPOも予測。ネット産業で言うところの1998年くらいの予感

◼︎仮想通貨界隈
取引所がとにかく活況であり得ない数字を出し成長。法整備された中での許認可事業やICOが盛んになり、より盛り上がりを見せる

◼︎インバウンド
オリンピックまで2年半となり、訪日観光客も堅調に急増。それに伴うサービスのトラクションも伸びる年に

◼︎ライブ動画、個人評価経済
ライブ動画の一般化。国内でも幅広く浸透していく年であり、細分化も進む。また個人が社会評価され稼ぐ時代が鮮明になる

◼︎宇宙
大型資金調達が相次ぎ、世界的な宇宙スタートアップから見ると、日本の派手な遅れてきた春を謳歌。この春をチャンスに、さらなる大型資金調達を推し進め、遅れを取り戻す

グリーベンチャーズ

General Partner 堤達生
2017年の振り返り:暗号通貨関連(ICO回り含む)とライブコマース関連が最も盛り上がった領域かと思います。暗号通貨関連では、取引所系の会社は今年一気にブレイクした感じがします。

ライブコマースは2017年はまさに元年で、2018年にいくつかの会社がブレイクする予感がします。弊社で支援しているCandee社にも当然注目しています。
2018年のトレンド:2017年に続き、暗号通貨関連は更に活況を呈することになると思います。ICOによるファイナンスもどんどん増えると思います。同様にライブコマース関連もある程度、勝負が見えてくるのではないかと思います。ご支援先のCandee社はもちろん飛躍を期待していますし、「PinQul」を提供するFlattも面白いなと思っています。

その他の領域でいいますと、AR領域は必ず投資したいと思っています。注目しているところでは、「hololive」を提供しているカバー社や落書きをフックにしたARコミュニティサービスを提供するGraffity社は注目しています。それ以外では、引き続き、FinTechやHRTech領域を中心に業界特化でのAIの活用は注視しています。また来年というよりも少し先になりますが、量子コンピューティング関連は継続的にウォッチしていますね。

F Ventures

代表パートナー 両角将太
2017年の振り返り:(1)VALU・Timebank等の仮想通貨・トークンエコノミー周辺サービス、(2)Sarahah、Tik Tokなどのティーン向けサービス
2018年のトレンド:2017年は仮想通貨が大きなトレンドになりましたが、1年前の同アンケートでは自分含めて、ほとんどの投資家の方々が予想できなかったのが印象的でした。予想難しい!

そんな仮想通貨の普及に伴い、決済のあり方が変化する年になるだろうなと予想しています。中国ではWeChat Payが普及し、“現金”の利用が激減している流れをみていると、日本でも同じ流れがそろそろ現れてくるのではと考えます。また、トークンエコノミーが発達してくると、見えざる資産が数値化され、トークンと商品の物々交換のような決済方法も出てくるのではと考えています。

また、昨年も予想していましたが、物流や不動産、建築、農業、医療、保険など、第一次・二次産業やレガシーな領域では、引き続き新しい事業創造があると思います。それから、AIの精度向上によって、レシピや服装コーディネートの自動生成がトレンドになったり、AIスピーカーなどの普及で、“音声”が熱い領域になりそうです。

慶應イノベーション・イニシアティブ

代表取締役社長 山岸広太郎
2017年の振り返り:バイオ、宇宙
2018年のトレンド:昨年の予想で、2017年は医療・ヘルスケア関連、特にバイオとデジタルヘルスが伸びると書きましたが、実際に2017年1Q〜3Qのバイオ、製薬領域への国内ベンチャー投資は145.3億円と前年同期比65.3億円増加し、最も投資額が伸びた分野でした(Venture Enterprise Center調べ)。複数の省庁にまたがっていた医療関連の公的資金がAMEDに一本化され、基礎研究から実用化まで支援できる体制ができてきたことでアカデミアの中で研究成果の産業化に対する熱意は着実に高まっています。加えて、医療ヘルスケ分野を対象にしたファンドの組成も続いていることから、今年もバイオ関連の投資は伸びると見ています。
一方でデジタルヘルスに関しては、期待値は高いもののめぼしい投資先が少なく、一部局所的に人気を集める案件が少しあるという感じでした。遠隔診療関連などで大幅な規制緩和でもない限り、今年も着実に伸びる会社はあっても、大きな投資の流れにはならない印象を持っています。
昨年意外だったのは宇宙領域です。日本ではリスクが大きすぎて調達は苦労するのではと思っていたところ、昨年は次々に大型調達が決まっており、日本のリスクマネーの流れが変わって来ている気がします。今年も、宇宙に限らず、お金のかかるベンチャーへのリスクマネーの流れが拡大することを期待しています。

Spiral Ventures

Associate 立石美帆
2017年の振り返り:FinTech、特に仮想通貨関連はトレンドであったと思います。また引き続きではありますが、IoTハードウェア関連も、情報の見える化に留まらず、サービスとして完成度の高いものが多く出てきた印象です。
2018年のトレンド:テクノロジー軸でいうと、(1)サービスとしての「AI」、(2)B2B/B2B2Cの形での「VR」、(3)産業用途での「ロボティクス」の活用が進むと考えています。
(1)データ分析に留まらず、ソリューション提供までを行うサービスが2018年は更に出てくるのではと思います。
(2)一般消費者にVRデバイスが一般的になるには、もう少し時間がかかるかと感じていますが、B2B/B2B2Cの形で、様々な産業領域で取り入れられるのではと思います。ナーブが不動産領域で大きく成長していますが、その他にもエンタメ、ライフスタイル問わず多岐に広がっていくと思います。
(3)人間の再現性には限界があるため、正確さを求められるもの(医療、製薬)での活用が特に進むと考えています。

産業軸では「建設」「農業」に特に注目しています。複雑な業界構造、人材不足、業務の非効率性など課題は多く、インターネット/テクノロジーで解決できる可能性は大きいと考えています。難易度の高い領域ではありますが、注目しています。

YJキャピタル

代表取締役 堀新一郎
2017年の振り返り:米国はAI、クラウド、VR/AR、EV・自動運転、音声端末の成長が目立ちました。中国はタクシー配車アプリ、バイクシェア、新メディア(Toutiao、Fenda等)といったC向けインターネットサービスが数多く成長しました。日本はB2B SaaSの大型調達・IPO、B2Cは動画領域が熱かったです。
2018年のトレンド:2017年に米国で投資が盛んだった領域において、サービスの進化が進むと予想します。(→が注目領域)
・AWS一強に挑むGoogle Coud, MS Azure陣営による競争激化
→クラウドサービスのエコシステム領域
・GAFA、BAT陣営によるAI研究所設立競争
→AI活用サービス
・Facebook・Google・MicrosoftによるAR投資本格化
→ハード、ミドルの上で成り立つアプリケーションレイヤー
・音声端末が出揃った
→アプリケーションレイヤー
・EV(電気自動車)・自動運転投資加熱
→オペレーション効率化、安全対策、運転データ活用サービス、付加価値領域
・フェイクニュース対策本格化
→セキュリティ領域、AI活用したフラウド系サービス

忘れてはならない仮想通貨領域においては、GAFAがこれまで目立った投資をしてこなかったのですが、Amazonがamazon.cryptcurrency.comを取得したことから、2018年は投機以外の用途としての仮想通貨サービスが幾つか立ち上がる可能性があるので目が離せません。

日本は日経平均が過去10年で最高値圏内に突入し、バリュエーションも高騰しています。CVC、アクセラレータ、エンジェル投資家も増えてきており、起業家に追い風が吹いています。米国の大型減税もあり、2018年は激動の1年になると予想しています。

Samurai Incubate

Partner 兼 Chief Strategy Officer 長野英章
2017年の振り返り:動画、A.I、仮想通貨、SaaS(特にHorizontal)
2018年のトレンド:■オリンピックまで3年を切りお祝いモードの裏側で、冷静に2020年以降の日本の課題をリアルに意識し動き出す起業家が増えると考えています。そんな中、盛り上がると予想しているのは特に2つの分野です。

■Vertical SaaS
既存産業で活躍する優秀な方々に最近よく相談に来て頂いてます。彼らは既存産業のバリューチェーンを深く、広く熟知してます。企画→製造→物流→販売等という上辺レイヤーから細分化し、各工程にかかる時間、発生頻度、直接投資額、デジタル化度合い等を理解しています。各工程を体系化/標準化し、テクノロジーをかけ合わせて生産性を上げるSaaSが盛り上がると考えています。市場規模×事業社数で様々な産業に注目しています。

■各産業×テクノロジーでのSPA
上記の起業家層が参入してくる領域が各産業のSPA領域だと考えてます。商品企画は「人のセンスや労働」に今まで頼る事が多かったですが、IoTやA.Iを活用する事で「企画のサイエンス」が可能な領域が増えてきました。またIndustry4.0や製造メーカーのOEM工場化の流れで企画→製造までのプロセスをよりオープンに活用できる市場環境とクラウドファンディング等の資金調達環境も整ってきました。ZOZOSUITが素晴らしい事例で、今後は成分、色、匂い、等の企画もテクノロジーと人間の叡智の融合で新しい価値創造が進む1年になると思います。

BEENEXT

Managing Partner 前田ヒロ
2017年の振り返り:金融と保険業界で躍進するプレイヤーが多く現れた。SmartHRは保険関連の手続きを簡易化し、LemonadeやOscarは保険商品の透明性を高め競争を加速させた。金融業界ではCASHが借入の即時性と手軽さを実現させ、ビットコインは国や通貨の境界線を超えた新しい資産保有方法を浸透させるきっかけとなった
2018年のトレンド:データのネットワーク効果がさらに加速すると思う。SaaSのますますの普及によって、企業や古い産業の中で眠ってる様々な情報が整理され、APIによるアクセスも容易になる。ブロックチェーンによってデータの分散化が起き、データの保有が企業から個人のコントロールに変わっていく。これにより、今まで実現できなかったデータの組み合わせを作り上げることが可能になり、新しい価値の創造、特にブロックチェーンを活用した新しいマネタイズモデルが生まれる年になるだろう。

ANRI

パートナー 鮫島昌弘
2017年の振り返り:Soft Bank Vision Fundが量子コンピュータに投資関心ありとの報道が出るほど、量子コンピュータに注目が集まった年ではないでしょうか。2017年は米国のトップVCからの投資が相次ぎました(a16zよりRigetti、NEAよりIonQ、SequoiaよりQuantum Circuits等)
2018年のトレンド:トレンドに乗るのではなく、人類の進歩に貢献する新たな産業を創出していく気合で頑張ります!

■量子科学技術
量子コンピュータは今後ハードウェアのみならずソフトウェアへの投資も活発化すると予想されます。また、日本では人材育成も必要なので何かしらの施策を打ちたいです。
量子コンピュータ以外にも量子暗号・通信分野含めて量子科学技術を幅広く検討しており、2018年に最低10社は投資したいですね。また、政府や大企業も巻き込んで日本から量子科学産業を立ち上げる必要があると感じており、年明けにでも都内でカンファレンスを開催予定ですのでご関心ある方はご連絡ください!

■オルガノイド
iPS細胞から、人間の臓器を製造するオルガノイドに注目が集まってます(Harvard大発のEmulate等)。最近、a16zのプレゼンでも取り上げられてましたが、これまでの動物実験より優れた新たな創薬スクリーニングとして使用されるだけではなく他の応用も期待されています。

■核融合炉、超臨界地熱発電
エネルギー問題を解決すべく、核融合炉や超臨界地熱発電のベンチャーを日本から作りたいですね。特にアカデミアの方からのご連絡お待ちしております!海外の核融合炉ベンチャーとして既に約100億円調達したGeneral Fusion社(Bezos Expedition等から調達)等をベンチマークしています。

個人投資家

佐藤 裕介
2017年の振り返り:仮想通貨、動画、アルゴリズミックフィード、音声認識、画像認識(AR含む)、対価支払より先に便益を得るサービス(ツケ払い、CASH)、手元現金の相対的価値増大を活かしたサービス(メルカリの現金販売)
2018年のトレンド:「売り手」がさらに拡大する
ソーシャルネットワークインフラの完全整備(集客)+個人が使えるエンタープライズSaaS(オペレーション)によって生まれる個人発の商売(Stores.jp、Liveshop)が、手数料の高いプラットフォームの外へ。

– 個人向け少額短期融資
個人の短期資金需要を満たすサービス。カードローンやクレカの複利的な手数料から分かりやすい手数料に。メルカリやCASHの流れから。

– 仮想通貨関連
クラウドマイニングなど。

– オーディオ
音声合成周辺で CGM 系、アングラ系のプラットフォームが出てきて、徐々にマチュアになっていく拡大イメージを予想。またamebloの音声版みたいなブログのノリからくるパターンもあり。EchoやHomeは順当に成長。

D4V

COO 伊藤健吾
2017年の振り返り:僕自身もまだまだ勉強中ですが一番盛り上がったのは何と言ってもICO、トークンセールスじゃないでしょうか?
2018年のトレンド:トークンセールスについてはまだまだこれから本格化するのではないかと思います。インターネットは元々P2Pとか分散に向いているのに大手のFacebook、Amazon、Google、Apple、Tecncent、Alibabaにデータを牛耳られて中央集権化しつつあったのが、分散化、非中央集権ということで新しい価値が生まれてくるのだと思います。スマートコントラクトで世界中の工場が自律的に連携し、これまでのサプライチェーンが破壊的に効率化されるといったことも実現されそうです。

KLab Venture Partners

代表取締役社長/パートナー 長野泰和
2017年の振り返り:D2C、ConTech、LogiTechの3つです。
D2Cは数も多く且つKPI好調なところが多かったのが印象的。ConTechは過去になく有望スタートアップが立ち上がっています。そしてLogiTechについては今年は動きが激しく、有望LogiTech各社も成長ステージに突入!という年でした。

2018年のトレンド:VCとICOは競合するのか共存するのか?というのが2018年の大テーマ。それぞれのメリット・デメリットが整理され、どう使い分けていくかのユースケースが2018年中に確立されるくらいのスピード感だと思っています。
投資分野としては引き続き既存産業をDisruptするスタートアップに投資していきたいです。LogiTech各社の2017年の成長は目覚ましいものがありました。KVP投資先ではCBcloudが物流版Uberプラットフォームとして飛躍してくれました。2018年に同じような展開がConTech、B2B商取引、HR、Legal、Agriなどなどいくつかの注目分野で期待できます。「既存産業が大きい」「ペインが存在する」「規制緩和」がスタートアップ参入の3大要素なのでこれを満たす分野でのスタートアップに引き続き注目していきたいです。

Plug and Play Japan

COO 矢澤麻里子
2017年の振り返り:2017年は、Fintech分野に盛り上がりを感じました。CASHやVALUのようなサービスの登場やビットコイン・ICO系プレイヤーも増え、ブロックチェーンなどの技術革新によって価値交換の方法が多様化し、より一層キャッシュレスな世界に近づいたように思います。
2018年のトレンド:2018年も引き続き、フィンテック分野は盛り上がりを見せると思います。仮想通貨やICOのみならず、ソーシャルレンディングや決済・PFM・資金調達や資産運用系など幅広く、様々なスタートアップが乱立すると思います。一方で、新しい技術を活用したサービスが増えれば増えるほど、規制やセキュリティ、AMLなどRegTech領域も見逃せません。

個人的には、昨今求められる働き方改革の流れから、優秀な人材のマッチング・採用、適材適所な組織設計や人材育成、ストレスフリーな人事制度の構築など、組織力を向上させるHRTechも伸びるのではないかと考えています。

また労働人口減少による人手不足解消のため、業務オペレーション効率化や人のシェアリングエコノミー、さらに負が大きいレガシーな産業のビジネス構造を大きく変えようとするサービスなどもさらに増えると思います。

Plug and Play Japanでは、FintechのみならずIoT、InsurTechにも注目をおいています。特にInsurTechは3年前のFintechと似たような流れが来ていることや、保険業界に関わる大手企業がこぞってオープンイノベーションに前向きであることから、2018年はこの領域も面白くなると思います。

日本のVC・エンジェル投資家が予想する2018年のスタートアップ・トレンド(後編)

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2018年、テック業界を取り巻く環境はどう変化するのか——昨日に引き続き、毎年恒例となっている企画の後編をお送りする。本企画ではベンチャーキャピタリストやエンジェル投資家を中心にして2018年の業界予想アンケートを実施。その結果をとりまとめている。

アンケートの内容は「2017年に最も盛り上がったと感じる分野、プロダクトについて(150文字以内、自由回答)」「2018年に盛り上がりが予想される分野やプロダクト(可能であれば企業名なども)について(600文字以内、自由回答)」の2つ。アンケートの回答順にご紹介する(敬称略)。なお各VCから回答を得ているとはいえ、キャピタリストは通常カバー範囲が決まっている。各回答が必ずしもそのVCを代表する意見ではないことはご了承頂きたい。(前編はこちら

セールスフォース・ベンチャーズ

Japan Head 浅田慎二
2017年の振り返り:全体的に2017年は、B2Bスタートアップの資金調達件数と金額がメインストリーム化した印象。その中でも、古い産業をDisruptするB2B SaaS(貿易、物流等)の資金調達が活発な年だった気がする。
2018年のトレンド:AIへのハイプ(過熱感)がようやく収束し、2018年は実用的なAI/ML/DLをベースとした問題解決型SaaSが生まれてくる事を期待したい。そして、AIのSI案件が実は、良質データが無いと運用フェーズに移行できないという問題が多数発生している事から、米国の弊社投資先Crowd Flower社のような、「データクレンジング as a Service」が日本でも急速に立ち上がってくると予想。

他には、Product AnalyticsのSaaS (製品のUIUXに対するユーザ満足度可視化SaaS。USのAmplitude社)や、ID管理SaaSのOkta(見事2017年にIPO)のように、IT部門が統合管理する形態のセキュリティSaaSとして、CASB(Cloud Access Security Broker。USのNetskope社やSkyhigh Networks社)のスタートアップが、日本からも出てくるのではないかと注目している。そして引き続き、生産性向上系の代表格セールス&マーケ系SaaSや人事法務労務系SaaSも新たに多少増えつつも、顕在プレーヤーの優勝劣敗が進む年となるだろう。

グロービス・キャピタル・パートナーズ

パートナー/Chief Strategy Officer 高宮慎一
2017年の振り返り:2017年はブロックチェーン、AIなどの新技術のテクノロジービジョン=テクノロジーが機能的に何が実現できるか見えてきた年だった。象徴的なのはバズワード化したICOで、ブロックチェーンという技術を応用した仮想通貨は、貨幣の機能的側面が純度高く実現でき、ICOにおいてはコミュニティ作りや資金の担保ができると提示された。
2018年のトレンド:2018年は、新技術に市場課題が結びつき、応用先とビジネス化が見えてくる、テクノロジービジョンがビジネスビジョンに昇華される年になる。新技術の中でも、特にAI、ブロックチェーンのビジネス化は進むと予想する。

AIは、完全に自律的に課題解決するまでには至っておらず、法制度と人の心の受け入れ態勢も整っていない。よって過渡期的ではあるが“半人力AI”=人をAIが補完する形でビジネスモデルに内包されていくだろう。そして、市場観点では、 既存のやり方の負が大きいが故に半人力AIでも十分に価値が出せる領域からビジネス化が進む。具体的には、『最適化』:コールセンター・CS業務、稼働率ビジネスのダイナミックプライシング、SCM、『マッチング』:人材採用、婚活・出会い、『関係性抽出』:コンテンツのパーソナライズ、コマースのレコメンド、ヘルスケア業界の診断などだ。

ブロックチェーンは、ICO乱発の中から、真にブロックチェーンの必然性がある課題の最適な解決策となっている領域が見えてくるだろう。一方で、投機的過熱感の中で、社会問題化する懸念もある。業界自ら襟を正し、当局と連携しつつ自主規制や法制度の整備が急務だ。

インターネットは、引き続き動画がファンビジネスと結びつき“コミュニティ型メディア”としてメディアビジネスに大きな変化をもたらす。また、ネットによる古い産業の変革も着実に進展する。特に、ヘルスケアは市場規模も大きく、変曲点にある。

Draper Nexus Ventures

Managing Director 倉林陽
2017年の振り返り:Big Data Analytics & AI分野。価値あるInsightの提供を実現して事業拡大をする企業が出てきており、弊社投資先のCylance(Cyber Security)やNauto(自動運転)等でも業績の急拡大や大規模調達が続いた。
2018年のトレンド:過去7年ほど一貫してCloud/SaaS推しだが、日本においてもSansanやマネーフォワードといった成功事例によって認知が広がり、近年はSaaSスタートアップの質も数も右肩上がりの印象である。

その中でも、昨年に引き続き特にIndustrial Cloudに注目している。伝統的商習慣の残る業界に対して、SaaSやMobile、Big Data Analyticsといったテクノロジーで変革を起こすスタートアップに可能性を感じる。

日本においてもカケハシ(ヘルスケア)、オクト(建設業)、サークルイン(国際物流)、atama+(教育)等、業界の課題について深い知見を持った経営陣が、UI/UXに優れたアプリケーションを提供し差別化を実現している。今後も様々な業界でこうした事例が出てくることを期待したい。

アイ・マーキュリーキャピタル

代表取締役社長 新和博
2017年の振り返り:「動画」。LIVE配信、動画メディア等、 スマホで利用する動画サービスの大型調達が相次いだ。また、ある種の社会現象となったAbemaTV、LINEによるFIVEの買収に代表されるように、VCの投資テーマだけではなく大手企業が本腰を入れて取り組むテーマになってきた。
2018年のトレンド:2018年に短期間で盛り上がるトレンドとして予想するのは、以下の通り。
1.「ライブ配信サービス」の乱立。プレイヤー間でのプロモーションや配信者獲得の競争が激しくなり、既婚の視聴者は配信者に対する精神的浮気がバレて家庭不和になる。
2.「スマートスピーカー」の一般家庭への普及。当面のキラーアプリは音楽と天気で各社とも大差ないと思われるが、日本語認識精度と通話機能が勝負の分け目になると予想。(2017/12/8発売のClova FriendsはLINE通話機能を搭載)
3.メルカリの”プラットフォーム化”による「シェアリング・エコノミー型サービス」の勃興。ニッチな市場でもメルカリからの集客と資金の支援を得ることで手堅く立ち上げることが可能になる。
4.東京五輪をターゲットにした「訪日客向けサービスEC」、特に飲食店や交通手段は需要が大きい。弊社投資先が運営する厳選飲食店の予約・決済サービス「Pocket Concierge」はインバウンド向けビジネスが平均年率3倍以上の成長を遂げている。
5.「ブロックチェーン」技術を活用したビジネスのキラーコンテンツが見つかるまで、数多くのブロックチェーン・スタートアップが登場する。

iSGSインベストメントワークス

代表取締役 代表パートナー 五嶋一人
2017年の振り返り:2017年もバズワードが幅を利かせた年でした(なんちゃって◯◯)。
Fintech、Helthtech、仮想通貨、オープンイノベーションetc.・・・。ベンチャーキャピタルの立場からは、注視するべきポイントは多かったものの、特定の新しいトレンドは案外なかった気もします。
2018年のトレンド:引き続き「インターネット+デバイス」「インターネット+リアルのサービス・ヒト・モノ・場所」といった「インターネット+α」領域が、より活発になると予想します。2018年はその中でも農業や製造業に関連する領域が、より活性化すると考えます。この文脈で地方スタートアップの台頭も期待します。

事業分野としては、日本は世界最先端の超高齢化市場であることから、へルスケア分野で日本発世界で活躍する企業が現れることを期待しています。

また、政府の「日本再興戦略 2016」で重点領域とされているスポーツ分野は、ヘルスケア分野とのクロスオーバーがある「Doスポーツ」を中心に成長が予想されます。

ライブエンターテイメント分野は、インターネット上のサービスやコミュニティ、さらに新しいテクノロジーとの連携を深化させ成長を続けると考えます。

事業分野やプロダクトではないですが、「サービスのサブスクリプション(月額課金)」に加えて、ファイナンスリースやオペレーティングリーズといった金融を活用した「モノのサブスクリプション」の成長が始まると考えます。

ほとんどの企業にとって、人工知能や動画、暗号通貨などは「ツール」であって、事業そのものではありません。これらのツールを活用してどのような価値を創造するのか、どのようなユーザー体験を提供するのか、という事業としての「本質」が、より強く求められるようになるのでは。

グロービス・キャピタル・パートナーズ

ジェネラルパートナー COO 今野穣
2017年の振り返り:基本的に昨年挙げたトレンドどおりだったかと思いますが、特に印象的だったのは、各産業向け・企業向けクラウドサービスです。弊社の投資先で言えば、Yappli社は目覚ましく成長しましたし、HR Tech関連は劇的に増加しました。ビジネスモデルやKPIが標準化されつつあるのも要因として大きいかと思います。
2018年のトレンド:2018年は、「なめらかな社会」に向けた技術とサービスの融合、言いかえれば骨太で必然性のあるユースケースの確立に期待をしています。技術的側面で言えば、「AI」「IoT」「VR/AR」「ブロックチェーン」などの技術がここ数年のトレンドかと思いますが、2018年はプラットフォーマーからの開放などにより、技術そのものがコモディティ化する年になるかもしれません。 その上で個人的に注目しているのは、(1)IoT/AI技術を活用したDMPの構築 (2)ブロックチェーン技術を活用した還元型社会の構築 と言った切り口です。

前者はビックデータ・ソフトウェア/クラウドサービス・オープンイノベーションなどの文脈に乗るでしょうし、後者はシェアリングエコノミー・トークンエコノミー・マイクロペイメント・クラウドファンディングなどの文脈に通じるかと思います。 また非中央集権的性質を持つブロックチェーン技術に対して、どのような統制・管理を自律的に機能させるか、その場合従来のマッチングサービスなどはどのように変容していくのかという点も興味を持って観察しています。 さらに、年々中国をベンチマークするサービスが増加しているのも特徴だと思います。その意味では、個人的には仮想通貨よりもWechat Pay上のデジタル通貨の世界観は待望していますし、中国で既に賑わいを見せるeスポーツは、日本での立ち上がりも時間の問題ではないかと思っています。

プライマルキャピタル

代表パートナー 佐々木浩史
2017年の振り返り:上半期:スマートスピーカー、音声UI、機械学習/AI、無人コンビニ、動画
下半期:ブロックチェーン、暗号通貨、ICO、シェアサイクル、iPhone X、CASH
2018年のトレンド:1. IoT(屋内外問わず)
・ハードウェアはもちろんですが、センサー・データ解析・音声UI等を活用したサービスレイヤーは多分に事業機会があると思います。
・ハードの普及に伴って、セキュリティーや電力といった領域で様々課題が表面化してくると思います。

2.バーティカル×データ×機械学習/AI
データ取得や整理と機械学習/AIの活用によって効率化される産業はまだまだ多いと思います。

3.Deep-Tech、R&D領域
非ネット領域で、最先端テクノロジーを活用したイノベーションを起こすスタートアップへの投資が加速すると思います。
※暗号通貨やICOは他の寄稿者の皆様にお任せします(笑)

Supership

取締役 古川健介
2017年の振り返り:みんな暗号通貨の話をすると思うので言いません笑。

スマホの動画まわりはやはり熱かったなと思いました。クラシルなどの特化型サイトや、Abemaのようなサービス、One Mediaのようなスマホらしい動画テンプレートの発明など、真のスマホ動画元年だったと思います。

2018年のトレンド:リアルとバーチャルの融合が盛り上がると思っています。今、バーチャルYouTuberが立ち上がりつつありますが、これらのアイドルを集めたUUUMのような企業や、カバー社のhololiveみたいな仕組みが人気になる気がしています。それに加えてARを使ったコミュニケーションなども活発化してくるのではないかと思っています。

このクソみたいな現実を、本質的でない解決法で解決するのが非常に日本ぽいと思うので期待しています。

あと個人的には、Mesh Networkを使った何かはおもしろいのではないかと思っていますが、たぶん来ません。
(編集注:掲載漏れのため12月28日23時18分に追加)

サイバーエージェント・ベンチャーズ

取締役 日本代表 近藤裕文
2017年の振り返り:圧倒的に仮想通貨とICOが盛り上がった一年でした。
2018年のトレンド:2018年ですが、引き続きFintechに注目しており、仮想通貨とICO領域は更に盛り上がるため、サービスレイヤーなど周辺の事業に投資したいと考えています。

また、ToCではお金を増やす、お金を送る、お金を換金するなどオンデマンドで提供するところは既存サービスにはない、新たなサービスの登場にまだまだチャンスがあると思っています。

ToBではDLTなどBlockchainの基盤技術周辺のエンタープライズ分野がPOCを終えて、ユースケースを伴って来年以降立ち上がるので注目しています。CAVはシードステージにフォーカスした投資をしていますが、上記領域はシードに拘らず投資検討したいと考えています。

エウレカ創業者、個人投資家

赤坂優
2017年の振り返り:Bitflyer、Coincheck、CASH
2018年のトレンド:・引き続き仮想通貨周辺事業(取引所、ウォレット)
・検索させないサービス(タベリー)
・オンライン店舗とリアル店舗のボーダレス化、D2C
・チャットコンシェルジュ
・民泊予約アグリゲーター

即現金化の買取アプリ「CASH」にAndroid版が登場

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2017年に最も注目を集めたiOSアプリの1つであるバンクの「CASH」。目の前のアイテムを一瞬でキャッシュ(現金)に変えられるとうたうこのアプリのAndroid版が1月9日にリリースされた。

「CASH」を運営するバンクに届く伝票

CASHは、ファッションアイテムなどをアプリで撮影するだけで、アプリ上で即査定を実施、素早く現金化できるアプリだ。2017年6月のローンチ時には申し込みが殺到し、サービスローンチからわずか16時間でサービスを約2カ月停止。再開から約2カ月、創業から約8カ月でDMM.comが完全子会社化したことでも注目を集めた。

バンクでは「事業としては順調」とアナウンスしている一方で具体的な数字については現在公開していない。だが代表取締役兼CEOの光本勇介氏によると、1日に買取をしているアイテムの伝票の量がこちらの写真のとおりだという。

「MixChannel」生みの親の新たな挑戦は“車”のコミュニティ「CARTUNE」、1.1億円の調達も

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10代の女子中高生を中心にして人気を集めるライブ・動画コミュニティアプリの「MixChannel」。このサービスを手がけた元Donutsの福山誠氏。同氏が立ち上げた新会社のマイケルが1月10日、経営共創基盤(IGPI)を引受先とした1億1000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。なおマイケルではシードラウンドでもIGPIから資金を調達しており、同社のパートナー 取締役マネージングディレクターである塩野誠氏が社外取締役に就任している。

福山氏はグーグルを経て2011年にシンクランチを設立。ランチマッチングサービス(現在は就活生に特化している)の「ソーシャルランチ」を立ち上げ、1年4カ月後となる2012年12月にはソーシャルゲームなどを手がけるDonutsに会社を売却。その後Donutsで新規事業として立ち上げたのがMixChannelだった。

「(もともとは)『女子高生向けサービス』というくくりではなかったが、2012年頃に10代が使う『動画×コミュニティ』で作ったサービスがMixChannelだった。ユーザーがコミュニティを動かしてくれて、だんだんと今のかたちになっていった。やはりコミュニティを作るのが好きで、運営も楽しい。新会社も本質的にはコミュニティの会社だ」(福山氏)

そんな福山氏がDonutを退職後、2016年12月に立ち上げたのがマイケルだ(ちなみに人名のような社名だが、「マス向け、幅広いユーザー向けのサービスを作りたい」という思いから、ユーザーとしても存在するであろう人名のような社名にしたということだった)。同社は現在、車に特化したコミュニティアプリの「CARTUNE」を展開している。

CARTUNEは、車を趣味にするユーザーに特化したコミュニティアプリ。ユーザーはTwitterやLINE、Facebookなどのアカウントでログインし、愛車の車種と写真を登録すればユーザー登録が完了(所有車を登録しないとログインできないが、他のユーザーの投稿を閲覧することはできる)。愛車の写真やカスタム・ドレスアップパーツの写真や動画を投稿したり、他のユーザーの投稿を閲覧したりできる。投稿はInstagramライクなUIで表示されるが、車種別やタグ別で閲覧できるのが特徴となっている。ちょっと面白いのは、ナンバープレートの自動加工機能。車の写真を撮影するとどうしても移ってしまうナンバープレートを自動認識し、ナンバーが分からないように加工することができる。

CARTUNEは2017年5月にスタートしたが、現在10万ダウンロードを達成。20代から30代を中心にユーザーを拡大している。実数は公開していないが、WAUも上昇中。ちなみに男性比率は99%なんだそう。

「『若者の車離れ』とはよく言われるが、手段としての車ではなく、車自体を楽しんでいる人達は集まるところには集まっている。(テック業界で)車と言えば、『自動運転』『EV』といったトレンドを思い浮かべる。だが違う軸もある。車はある意味で『嗜好品』としても残り続ける」(福山氏)

福山氏がそう考える根拠は大きく3つだ。1つ目は「活発なパーツ売買」。フリマアプリやオークションサービスでは、車のパーツの取引は非常にアクティブなのだそう。パーツの中古売買市場は、約600億円で、直近の3年で10%成長。またワンオフ品と言われるような一品モノのカスタムパーツなどは今CtoCでの取引が多いという。2つ目は車を趣味にする人達が「イベント・リアル体験文化」を持っていること。例えばアフターパーツの商業イベント「東京オートサロン」には、3日で32万人が来場するし、カスタムカーの展示イベント「スタンスネイション東京」には、1000台の出展があり、単日で2万人が来場している。

そして3つ目が「名車のリバイバル」。メーカー側も往年の名車の純正パーツを再販売するなどしているそうで、ファンの付いている車種に関しては「長く乗る」というカルチャーがあるという。「あくまで趣味としての車好きだけで言っても250万人ほどの規模。そういう人達の情報交換の場を作るのがCARTUNEの目標だ」(福山氏)

車のコミュニティとしては、カービューが2004年から提供する「みんカラ」が先行している。みんカラは月間約4億2000万PV、MAU約750万(2016年10月~2017年3月までの平均値)と大きい。福山氏はCARTUNEでスマホ時代のコミュニティ作りをしていきたいと語る。

マイケルでは今回調達した資金をもとに、CARTUNEの運営体制を強化し、プロモーションを拡充する。今後はオフ会の実施や、中古パーツの売買情報のサポートなどを行っていくとしている。

マイケル代表取締役社長の福山誠氏

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